英語のリスニングやスピーキングを伸ばしたい。どうやったら上達するのだろうと、英語を勉強している多くの人は最適解を求めて試行錯誤していると思います。コミュニケーションを図るうえで、必須の2つのスキルについて、私自身も大変苦労しています。様々な勉強法を学んだり、実際に試した結果、2つのトレーニングを行うことで、確実に上達していくものだと確信するに至りました。
そのトレーニングとは、「シャドーイング」と「リプロダクション」です。
この記事では、2つのトレーニングについて、効果的なやり方を紹介していきたいと思います。少しでも参考になれば嬉しいす。
シャドーイングについて
「シャドーイング」とは聞こえてきた文章を、影のようにすぐ後に続いて繰り返して声に出すトレーニングです。英語の語順と発音の回路、英語を英語のまま理解する英語の回路を強化するトレーニングです。
シャドーイングの効果的なやり方について
「シャドーイング」のやり方には諸説ありますが、ここでは私が最も上達を感じた方法を紹介します。
- 自分のレベルに合った音源付きの英文を用意する。TOEICの公式問題集やTEDが有用です。
- 音源を再生し、スクリプトを見ないで、聞く(3回)
- 音源を再生し、スクリプトを見ないで、聞いたそばから、影のようについて声に出す(シャドーイング)(3回)
- スクリプトを確認し、意味と文の構造を理解する
- 音声を再生、スクリプトを見ながら、「オーバーラッピング」する(3回)
- スクリプトを見ながら、音読する(5回)
- 再度、「シャドーイング」を行う。今回は、意味と文の構造も意識しながら、発音、音声変化、イントネーションを真似ていく(3回)
このプロセスを通じて、「聞いてなんとなくしか理解できなかった英語」を「自信を持って理解できる英語」にしていきます。ちなみに、プロセス5の「オーバーラッピング」とは、スクリプトを見ながら、音声を同時に発音していくトレーニングです。リスニング・スピーキングを中心に総合的な英語能力の向上が実証されています。
そして、このプロセスの締めくくりとして、「リプロダクション」を行うことをお薦めします。
リプロダクションとは
「リプロダクション」(Reproduction)とは、聞こえた文章を記憶し、音声を止めて自分で「英文を言い直す」トレーニングです。自分で文章を組み立てることによって、「知っている」単語や文法の知識を「実際に使える知識」へと変えていきます。「シャドーイング」と同様にプロの通訳者が使っている方法です。
「シャドーイング」が聞きながら後について言うのに対し、「リプロダクション」は音声をいったん止めて、聞いたことを丸ごと繰り返して言います。
リプロダクションで伸ばせるスキル
「リプロダクション」は難易度が高いので、最初に上記で解説した「シャドーイング」をやった最後の締めくくりとして行うことで、挫折することなく、トレーニングの効果を享受できると思います。その結果、以下のスキルが身につくのを感じるはずです。
- 正確なリスニング力。「言いたいことがなんとなくわかる」ではなく、チャンクごと頭に入ってくるようになる
- 英文を語順のまま、頭から理解できるようになる
- 英語のパターンのストックが積み上がっていく
- 自分で文を組み立てる訓練により、言いたいことを英語で話す力がつく
リプロダクションで挫折しないコツ
「リプロダクション」は難易度の高いトレーニングです。よって、やり方に留意する必要があります。挫折せずにかつ効果的に行うコツは以下の通りです。
- 自分に合ったレベルの教材を使う
- 「シャドーイング」、意味理解、「オーバラッピング」、音読をやった最後に行う
- 発話する際には、話者になりきり、感情移入して行う
難易度の高いトレーニングは、いきなり高度なやり方を試みるのではなく、少しづつ負荷をかけていくことで、効果的に力を伸ばすことができます。「リプロダクション」の前に、その文章を20回程復唱すると、比較的楽に、文章を組み立てられるようになります。
ぜひ、「シャドーイング」と「リプロダクション」を毎日の英語学習に取り入れてみてはいかがでしょうか。
See you!